「小笠原満男のような広告＝口コミュニケーション」
　
　広告やパンフレット、雑誌などの表現手法を「サッカー選手のプレイスタイルや人柄に例えてみる」というヘンテコな企画です。真面 目なマーケ論やクリエイティブ論だけでなく、一風かわった切り口は如何ですか？

　さて、今回は鹿島アントラーズの小笠原選手です。彼も日本代表の一人で、もの凄く能力の高い選手なのですが、彼のポジション攻撃的MF（司令塔）は、中田英寿・中村俊輔・そして小野伸二選手も以前プレーしていたりと脚光を浴びる選手の乱立する激戦区です。その為、おとなしい雰囲気もあいまって一般 的には埋もれてしまっている隠れた名プレーヤーなのです。

　彼の的確なプレー判断はチームに非常に効果 的なのです。チーム内がバタバタしている時は、ボールを自分がキープして時間を作って落ち着かせたり、相手ディフェンダーの弱点をプレーの流れの中で見抜き、裏のスペースを常に虎視眈々と狙い、絶妙のタイミングで正確なパスを送る。自身もゴール前に走り込んで、相手ゴールキーパーがシュートを弾いたら、すかさずこぼれてきたボールをダイレクトキックする。
　ファウルを貰った時のフリーキックの技術や決定力も素晴らしい物があります。ずる賢く相手が守備陣形の準備する前に蹴ってしまうクレバーな面 など策士といった感じです。この選手がいるのといないので、攻撃力が格段に違うと言っても過言ではないでしょう。

　 しかし、人気スポーツ選手として、マスメディアやCM出演等でちやほやされないのは、前述の同ポジションの有名プレーヤーの存在からでしょうか？中田英寿といえば、イタリアで成功を収めた強靱な肉体と鋭いキラーパス。中村俊輔は芸術的な円弧 を描く左足のキック。小野伸二は、にこやかな笑顔とノー・ルック、ワンタッチでの球さばき。小笠原選手をこの3人と比べてしまうと、わかりやすい特長という意味では見劣りしてしまうのかもしれません。（走り方とか独特なんですけどね。）それでも、彼が非凡な選手なのは昨年の日韓戦などでの輝きからも明らかです。（でも代表の試合じゃ、ライバルの存在でなかなか試合に出られないんですよね。）

　さて、広告の隠れた名プレーヤーとは、何でしょう？そもそも、一般 的な広告は目立たないといけないのですから、隠れている物は少ないのですが、業種や媒体によっては、大げさな宣伝がはばかられる物もあります。病院などの医療関係、葬祭関係、法務や財務なども目立った宣伝を目にしません。

　では、どうやってイメージを与えたり、信用度を上げているのでしょう？ひとつの方法にホームページというのもありますが、今回それは置いておいて、隠れた名プレーヤー、それはズバリ、口コミです。「なんだ、そんなの知ってるよ」という声も聞こえてきそうですが、効果 の高さが知られている割に、忘れられているのです。チラシや雑誌広告、TVコマーシャル、どれも形態があり、コストがかかり、レスポンス率などの反応を計測し、効果 をにらみ戦略を練ります。しかし、口コミは、はっきりした形態がなく、効果 もわかりにくい。しかし、有効である。これも詳しい解説は次の機会にしますが、いろいろな方がノウハウ本を出されてるので、そちらを参考にされるのも良いでしょう。

　「口コミなんて、どうやって仕掛けるんだ？」「自然発生じゃないのか？」もちろん、自然に口コミが広がる事もありますが、必然とも考えられます。なにも、（お喋りおばさん）を雇わなくても、狙える事です。貴方が友人と二人で待ち時間を過ごしていたとします。会話が途切れてしまいました。「なにか話題はないのかな？」と探しだしませんか？喋って「あ、そう」「ふーん」と反応される話題は切り出したくないですよね。話して盛り上がる話題は、それを聞いた人が、同じようなシーンで、また繰り返し話題にしていくのです。 　小笠原選手も、大活躍のプレーで話題になって欲しいですね。野球の小笠原選手とどっちが有名なんでしょう？

さて、次回は誰がどの広告とマッチングするでしょうか？それでは。

　
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