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広告業界の役職と
その見極め(2)」

(2006年3月28日執筆)
 
 前回は営業職に迫りましたので、今回はクリエイティブ業の役職に迫ります。

●大手広告代理店や大手広告制作会社のCD
(クリエイティブディレクター)
●印刷会社内のAD(アートディレクター)
●個人でアートディレクター
 兼デザイナー
●ハガキやシールのプリントショップのデザイナー

 デザイナー、ディレクターと横文字職業でわかりにくいですが、どこからどこまでが仕事の範疇で、どういう事をしてくれる人達なのでしょうか?

●大手広告代理店や大手広告制作会社の
CD(クリエイティブディレクター)

テレビにもでている有名な人達も属している分野ですね。若い人だとスマップやキリンビールの佐藤可士和氏、タワーレコードなどの箭内道彦氏などが、テレビなどでよく見受けられています。いま旬のCDというところでしょうか?往年の糸井重里さんなんかも、コピーライターという肩書きですが、じっさいはこのポジションだと思います。 あえて「大手」広告会社としているのは、中小レヴェルの仕事では、そもそも大手が手掛けているような仕事ができないため、まったく仕事の中身が変わってくるからです。

 それはズバリ電波です。パンフレットや新聞広告、チラシは中小企業でも多く手がける媒体ですが、テレビCMからイベント、マスメディアの大体的キャンペーン展開、店頭POPにいたるまで総合的な提案と実施は大手企業しか予算的に発注できませんし、大手広告会社しか取り扱っていません。ですから電通 や博報堂のCD(クリエイティブディレクター)というのは、どっちかといえば、今最強のメディア「テレビ」のCMで名を上げる人がほとんどです。もちろん、ポスターから電飾看板すべてのキャンペーンを一貫して引き受ける訳ですが、一人でそういった細々した事をやるわけではりません。

 傘下にアートしレクターやコピーディレクター、プランニングディレクターなどの沢山の中間管理職を従えた総合責任者「プロデューサー」的な位 置づけなのです。 このCD(クリエイティブディレクター)は、いわば大ボスですから、広告に携わる人達(営業、CMの現場、デザイン、マーケティング、コピー等)の中から、出世した人がなれる訳です。それだけの責任と指揮権を持っていますから、広告に精通 していて、大筋での企画「この商品をこの売り出しかた、この展開で出せば当るのではないか?」というものを打ち出して、スタッフに流して行く役割です。出てきたアイディアを最終的にお客さんにプレゼンテーションするのもこの役職です。

 「ボス」という立場ですから、個人技的な感性や企画アイディアを生む能力が優れているだけでは務まりません。チームの長としての判断力や統制力、実績などがものを言います。 個人の人で自称のCD(クリエイティブディレクター)や先にあげた中小企業のチラシやパンフしか取り扱っていない代理店でのCDは、大手広告界社のAD(アートディレクター)やコピーディレクターなどとやっている仕事と大差ないでしょう。大手広告会社の「総監督」のCDは、細かな表現手法までは携わりません。映画で言えば「撮影監督」の位 置のAD(アートディレクター)に意思を伝えて、仕上がりを見守るだけです。それよりも「予算内で、このキャンペーンを成功させる」という命題を抱えていますから、マ−ケット資料など熟考し、アプローチ方法を間違いないように、提示、管理しているのです。

●印刷会社内のAD(アートディレクター)
印刷会社としていますので、主に紙メディアについての事で記しますが、AD(アートディレクター)は絵に関する監督、上に出てきた「撮影監督」に近いものです。デザイナーとどう違うのか?CDとは違うのか?と疑問も出てくるでしょう。この役職はデザイナー出身者がほとんどです。(それでないと務まらないです。)

 CDとの違いは、仕事の規模が影響してきます。例えば上の例の大手広告会社が手がけるキャンペーンの場合、テレビの30秒CMがあり、場合によってはモデルやタレントと交渉し、タイアップ曲、撮影ロケーションを決め、紙媒体の駅貼りのポスターがあり、雑誌の裏表紙や新聞などにも沢山広告を出し、ティッシュやPOPなどツール類、さらにキャンペーンマニュアルの冊子など全てにおいて、例えば「そうだ、京都へいこう」の旗印や「キレイと元気。マカとローズヒップのお酒」の旗印を決める船長が必要で、それだけ多くの会社や人間が係るため、船長であるCDのもとに、機関長(とでもしましょうか?)のADなどが集まるしくみになっています。

 しかし世の中には、雑誌1ページだけの出稿、ちらしのみ出稿という小さな単発仕事も少なくない訳で、そんなものの場合、船長をADがやってしまう場合もあるわけです。企業カラーの統一やキャンペーンテーマの統制といっても、チラシ1枚しか打たないのなら、1作つくってそれっきりということですから。 印刷会社でもADと肩書きがある人は、昔は有名代理店等で大手企業のカタログやキャンペーンなどを手がけた人も多くスカウトされていますので、しっかりしたクリエイティブで対応してもらえる場合も多いです。ADとデザイナーの境目は非常に曖昧です。というよりデザイナーがAD職まで無意識に兼務してしまっているケースも多いです。そんなADの仕事とは

●デザインやビジュアルのテーマ決めと、
  スタッフや自分の出したアイディアの選定

●撮影が必要な場合のさまざまな段取り工面 、
  カメラマンとの打ち合わせ

●イラストやCGグラフィックが必要な場合の
  段取り、工面、打ち合わせ

●文章との調整をコピーライターと折衝

●印刷が特殊な場合、印刷会社との折衝

●デザイナーやオペレーターが仕上げた物の
  チェックと指示

など、ビジュアル面での責任者としての仕事になります。しこしこと誌面作りをするのではなく、雑誌の誌面 一つの体裁でも、デザイナー、コピーライター、カメラマン、イラストレーター、DTPオペレーターと様々な人達が絡みますので、そのまとめ役としての状況判断、指示出しと責任を負う役割です。自分でつくる事は少なくなり、アイディアをデザイナーに伝えて作らす事になるので、「人を使う」のが上手でないと務まりません。 広告代理店は外部を指揮する立場上で、若い人でもADになります。制作プロダクションはデザイナーで修行を積んで30代以降、一般 会社の課長職に昇進するような形でAD職につきます。自分で物作りをするのが好きな人は、あえて代理店のADからプロダクションのデザイナーへ、一見降格のような転職をする人もいます。格はあがって人を使っていろいろできるADですが、管理職であるが故「自分で物を作り上げる楽しみ」は無くなって行きます。

●個人でアートディレクター兼デザイナー
デザイナーとアートディレクターの境目がなくなっているのは、こういったポジションの人も増えたからでしょう。また個人でなくとも会社の方針上(役職をつけると昇級になるため?)デザイナーにADの仕事も兼務させているケースも多いです。 デザイナー(図案家)の職域としては、

(1)構成素材を用いての誌面 割り付けレイアウト(レイアウターの仕事でもあります)

(2)見出しや囲み罫、マークなどのアイキャッチの体裁に処理を施す

(3)計画的に配色する

(4)ヴィジュアルを考え、そのヴィジュアルを作ったり、撮影準備をしたりする

(5)全体、あるいは全ページを通 してのテイストやムードといった、印象部分をコントロールする(もちろんコンセプトテーマをしっかりと踏まえる)

といったところが、大まかな部分ですが、(4)(5)は新人デザイナーの場合、ADにまかせてしまう場合もあります。1)〜(5)どの要素も特殊な能力が必要ですが、(4)(5)は経験が浅いと厳しい部分でもあります。しかし、カタログ一冊を依頼して、他社に見劣りしない洗練された表紙デザインを望んだり、1冊を通 してのテーマカラーを上手く展開したりというのは(4)(5)の能力をもったデザイナーやADに依頼しなくてはいけません。

●ハガキやシールのプリントショップのデザイナー
 
プリントショップなら、名刺やハガキ等小さくて構成要素も少ないツールしか扱いません。写 真はアングルやセットを決めて撮影などはせず、お客様の持ち込み写真を配置するだけです。主に上のデザイナー職域の(1)(2)をやっております。簡単な名刺や招待状ならこの能力で事足りますが、結婚式場に置く洒落たカードだったり、宝石のパンフレット、婦人服のカタログをつくりたいとき、センスもさることながら(3)〜(5)の能力が無ければ、あまり体裁よい物は仕上がらず、不満なデザイン体裁を我慢して使用しないといけないかもしれません。 プリントショップの仕事を過小評価したり、否定している訳ではないのですが、「グラフィックデザイナー」という名前は、他人に対して耳障りが良いため、レイアウト専門の「レイアウター」や、マシンを操作するオペレーターなども、多少デザイン要素が仕事に含まれてくると「デザイナー」と名乗ってしまうケースが多くあります。発注者側は、ここをしっかりと見極めないと、「全体として高級なムードのパンフレット」を期待しても「文字をならべて、見出しに飾りをつけただけ」のものが仕上がってくる場合もあります。

 相手の肩書き看板が悪いのか、出した自分が悪いのかと悩んでも失敗は失敗となってしまいますから、よく見極める知識が必要です。 見極めには、作品を見せてもらうのが一番ですが、ここにも落とし穴があります。広告でも出版でも先に上げましたようにAD→デザイナー→オペレーターという流れの図式があり、仕上がった作品はとても美しく素晴らしい物でも、じっさいにデザイナーは(1)〜(5)まで担当したのか、ADが主要部分を決めて手がけたのか、共同作業だったのか、しっかり聞き出さないと、実際はADが(3)〜(5)を手掛けて、そのデザイナーは誌面 割り付けをしただけの場合もあります。

 人は「自分をよく見せたい」欲求がありますから係った良い仕事、良い作品はいかにも自分が全てやったように見せてしまいます。 ですから、作品を見るだけでなく、「撮影はどうだったか?」「このビジュアルは自分のアイディアで自分で作ったか?」「コンセプトやテーマは誰が決めたか?」などそれとなく聞いてみて、どれくらい絵作り、誌面 作り、企画作りのできる人かを探らないといけません。逆をいえば原稿を支給されてそれを体裁よくまとめているだけの人は、オペレーターの仕事を少し進化させただけですので、例えば体裁の決まっている刊行物等を、相応に体裁よくミス無く早く作ってもらう等、オペレーターとしての特性の方が合っているかもしれません。

  ちょっとデザイナー気取りのオペレーターさんには辛辣な意見になってしまいましたが、これも世のためです。デジタル化で垣根が壊れ、それぞれの職域が混ざり合い、「ワードで簡単年賀状」のように1億総デザイナーとも言える昨今ですから、本物のデザイン業、アートディレクション業をしっかりと確立させ、「プロの確かな仕事」というものを後世まで守り、伝えて行く必要があると思います。


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