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「小さな会社のプチブランド」
威光にあやかる前に自社を知る

(2005年1月04日執筆)
 
 ブランドがブームになって久しい日本ですが、ブランドとは一体何か整理してみましょう。

 ユニクロが、原宿出店してカジュアルショップとして爆発的ヒットする前は、『ノラクロ』と呼ばれるほど田舎臭く、とても人に公言出来るファッションブランドではありませんでした。しかし、製品のフリースは、海外生産ながら徹底管理により高い品質を誇っていました。「製品は良いのに田舎臭いと敬遠されてしまう・・・」こういう状況では、ブランディングによる戦略が力を発揮します。

 会社自身としてのブランドイメージならば、古くは「CI」(Corporate Identity)と言われる企業戦略の流れを組んでいるでしょう。菱備製作所がリョービ、公団がCODANとなる事、小岩井農場が独特の牛が草を食べている絵柄のマークで、手作り自然食品の高級感と贈答用としてのポジションを確立する差別 化。関サバや神戸牛など高級食材から、神戸近郊エリアの地方産業は全国区で通 用する「神戸」というブランドを使って製品名をつけています。こういった目立つ成功例だけみますと、ブランドが認知されると他社に流れていた客を呼び込み、揺るぎないポジションを確保出来ると思ってしまいます。

 しかし、ブランドの構築とはそんなに単純な物ではないのも事実です。現在のブランディングの背景は、ファッションや宝石のような有名ブランドの多い業界でなくとも、企業の合併・統合のケースやデジタル技術の進化で新分野に進出といった業界再編の波によるもの、または商品や技術の成熟で各社差が無くなったため新たな差別 化を図るケース、多角事業のケース等があります。    

 多角事業の例で見ますと『ニベア』『ビオレ』『へルシア緑茶』『エコナクッキングオイル』『メリットシャンプー』『バブ』『マイペット』『クリアクリーン』というのは、全て花王製品のブランドです。バス、トイレ、キッチン周りの消費財が主力ですが、『マイペット』という洗剤と『へルシア緑茶』では、思い浮かぶ印象がかけ離れています。緑茶などの経口物に除菌洗剤のイメージがが脳裏に浮かんでしまうと恐怖感がでてきますよね。喜んで飲みたいとは思えないでしょう。

 ヤマハなどは、もっと扱い分野が広いですから、「ヤマハの製品」と言われて思い浮かぶのは、「グラビノーバ」という電子ピアノの人もいれば「ドラッグスター」という大型バイクを浮かべる人、「システムキッチン」「マリンジェット」「ポップスコンテスト」様々です。グループ連結決算などを行う大企業では、事業部ごとに違う顔の場合もありますので、各商品ラインナップごとのブランドイメージの構築は必要課題です。そういった面 ひとつ踏まえても、大企業がブランド構築に置いて優位に立っていると言えます。さらに商圏の大きさや伴う出稿量 、流通販路のシステム化、人員管理のシステム化など本格的にブランドを構築するのに必要な要素を既に確立し、高い理解力の執行部が多く、スムーズにブランド戦略に取りかかれます。

 では従業員10人とアルバイトでやっているような地域規模の会社はどうすればよいでしょう?大企業と同じに考えてはいけないと言う事です。「ブランドを構築して他社と差別 化して固定ファンが根付いた」というような表面だけを捉えて「じゃあ我が社も真似してロゴのデザインを変えて・・」とやっても簡単にいきません。「売れる」「売りたい」だけで捉えていては、ブランドは作れないのです。そういった気持ちならキャンペーン広告を展開する方が可能性はあるかもしれません。

 なぜ、マークを一新しただけでは無意味なのか?たとえば時代劇の水戸の黄門様は、かならず「控えおろう!この紋所が目に入らぬ かぁ」と葵の御紋の印籠を見せつけます。ここで、「葵のマークも飽きたし、若い人には古くさいと言われてるそうだから変えてみる?」などと安易な気持ちで鶴丸のマークに変えてしまって「控えおろう」の効果 が計れるでしょうか?認知されるまでの期間に「お主こそ何奴だっ!」と切り捨てられてしまうかも知れません。葵の御紋や菊の御紋は歴史の積み重ねと権力という背景があるからこそ強力なブランドマークになっているのです。マークを変えたら明日から人気の企業になれるなどという安易な事はありません。

 現存のブランドの多くは歴史的な積み重ねの上に成り立っていますが、まったく新しい会社がブランドを持てないと言う事でもありません。KDDIやYAHOO、Inter、Imacシリーズは長い歴史がある訳では無いですし、一風堂やスターバックスコーヒー等もそんなに昔から名が知れていた訳ではありません。しかし、これらのブランドには思い浮かぶものがあります。Interといえばパソコンに貼ってあるシールのマークとともにPentiumプロセッサと思い浮かびます。Imacと言えば、ユニークで洒落た形態のマシンを思い浮かべます。スターバックスは緑と黒の看板と共に自分スタイルを実現できるカフェですし、一風堂といえば細麺豚骨の九州系ラーメン。

 そう、マークだけ作っても、そのマークでどういった会社や店なのかという事をイメージできなければ、ただ単にマークを作っただけに過ぎないのです。何のイメージも沸かない特長のない会社がマークの持つデザインイメージに頼ろうとするのは本末転倒で、自社のイメージが作れなければマークも作れません。また、そのシンボルとなるマークやロゴタイプが大衆に深く認知されていなければ「これは何のマーク?」でお終いです。エリア商圏でやるにしてもエリア内で認知度を高めていなければ効果 は発揮されません。自社の特性やイメージ、歴史、これからの目指すヴィジョンといったブランドの元になるコンテンツの中身と、それをどれだけ顧客層に認知して貰えるかという図式になります。

 何だか深い話しになってきましたが、さらに深くなります。幸い自社には優秀な職人社員が何名かいて『技術なら負けない物がある』というアピール出来る状況の会社があるとしましょう。仮に山田製作所という何の変哲もない社名だったのを地域ブランドとして『技術ならヤマダ』という認知を狙うブランド戦略を行うとします。しかし、ここにも一つの問題点が派生しているのです。『優秀な職人社員が何名かいて』では、『全ての業務に関わるセクションが優秀で高い技術』では無いと言う事です。中にはアルバイトがやる仕事や、仕上がりに当たり外れのある外部セクションも絡めての社内体制という場合、看板だけ『技術のヤマダ』でバイト社員の雑な対応などが横行しますと『実体と違う看板』ということになり、ブランド構築は大失敗です。

 ブランディングは、変革だけでなく構築を伴う物です。それは広告のように単発で商品の特長をわかりやすく伝えることで終わらないのです。看板を掲げる、旗印を掲げるということは、『自社がそういう存在である』という事を実践していなければ、看板に恥じる企業、のれんの名を汚す店に成り下がってしまうのです。ハーレーダビットソンというバイクメーカーは、バイクのエンジン音、ドライブ感、スタイル、車名すべてが『ハーレーらしいかどうか?』という基準で決定されます。いくら日本車のようにスムーズな走行ができてもハーレー独特のエンジン音を出していなければ没です。ハーレー社の幹部が駄 目を出すのは、ハーレー車を愛する革ジャンにサングラスの無法者風の男達の脳裏にイメージしている期待を失墜させてハーレーブランドを壊さない為でしょう。

 そういった徹底した社内方針と社員体制がないとCIやブランド構築は難しいのです。タクシーの外装カラーを統一しただけの『行為』だけなら「オレンジ色が我が社のタクシーの目印です」以外に何もなく、「ドライバーのサービスが画期的な会社」とか「女性ドライバーの多い新しい体質の会社」のような印象を伴ってオレンジ色を憶えてもらう事は出来ないのです。

 結果 的に『乗るならオレンジ色のタクシー』でなく『オレンジ色は○○社のタクシーだね』で終わってしまうのです。社長や幹部さんが本気で旗印を掲げ、この旗こそが我が社のプライド!看板の名に恥じぬ 業務や製品を!と社員全員の意識を徹底させないと、シンボルマークに伴う印象はユーザーに植え付けられません。

 ここまで読まれるとブランディングというのが単なるデザイナーのマーク制作で無く、大変な改革である事はおわかりでしょう。実際、ランドー社、パオス社などブランド構築専門の制作会社は、制作以外のコンサルティングを専門にするスタッフも多数在籍しています。そんな大げさな事なら小さな会社はとても導入出来る物ではないと思われるかも知れません。

 合併などの大きな変革、あるいは全く従来との違う分野の新製品開発なら、社内としても新しい風に意気揚々としているので、新ブランドは起こしやすいでしょう。新しいイメージが必要ですし、あたらしい背景の裏付けも必要とされます。しかし、ただ単にブランドにして他社と差別 化を図りたい、威光にあやかりたいと考えるならば、まずは、自社の業務や製品が自分たちの考える方向に認知されているかを知る必要があるでしょう。私個人の仕事の面 でも広告印刷物を幅広く手がけていますと、企画を練りに練る仕事から、時間ギリギリの物量 の多い体力系仕事まで様々にありまして、急ぎの物量の多い仕事でのみ絡んだ人は、未だ私の事務所で企画の仕事をやっているとは認識していません。こういう例は沢山あって、公共建築以外に木造住宅の部署もあるのに住宅は一切手がけていないと思われていたり、店頭に商品を置いているにもかかわらずこの分野は扱っていないと誤認されて遠方の他店に足を運ばれてしまう等の話は聞きます。

 そういう誤認のようなネガティブイメージの改正から少しずつ地道に始めていくのもブランディングの下準備になります。大がかりな一斉変換、大量 出稿は莫大な予算がかかりますし、社員の意識改革も照準を絞らなければいけませんが、地道に小さな事から下準備を始めるのは低予算で出来るでしょう。会社のトップが一つだけでも『我が社のプライド』をしっかりと提示し教育していけば、営業マンや現場の人間も徐々に「ウチの会社は何が特長か」と理解し、プライドを持つようになるでしょう。

  ISO9000などの資格取得なども切っ掛けと裏付け証拠になりますが、イメージが沸かないと人の心に働きかけません。印象だけで裏付け情報がなければ、口先のみとしてあしらわれてしまいます。社内や部署の一斉改革は労力もコストも大変にかかるのですが、『誤認を正して、自社のプライドをハッキリさせていく』というプチブランディング(本格ブランド構築の下準備)ならば、時間的余裕も予算の余裕もありますので、地域商圏やお得意さまにコツコツとアピールしていく事で、本番の時の大きな基盤になるでしょう。看板の威光は1日で作れない物なのです。


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