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「恋愛から広告を考察」
モテモテくんへの道

(2004年11月11日執筆)
 
 今回は、少し異色のテーマで迫ります。恋愛とビジネスに共通項を持たせて論じる人は結構います。ビジネス論、マーケティング論だけだと華のない硬い文章になりがちですが、恋愛話を上手く取り込むと面 白い物になるのではないかと思います。ということで、私も早速チャレンジしてみますが、恋のスペシャリストでもありませんから、批判反論あったとしても、個人の見解、愛嬌ということでお願いします。

 「広告で商品を売ってヒットさせたい=多くの異性に自分を売り込んでモテモテになりたい」と定義してみます。世の中不公平で、(人気殺到)の人がいれば、(咳をしても一人)って人もいます。これは、商売にも言える事で、モテない人がモテるようになるには、なにかしら努力が必要になります。あなたは、どうされましたか?(必要なかった?)

【第一印象を良くするために外見体裁を磨く】  まずは、お洒落をしてみる、化粧を変えてみる、格好良いファッションを研究してみるというのが、一番手っ取り早い方法ですね。第一印象は、法人でも個人でも大切な物に変わりはありません。できれば、この段階で多くの異性の注意を惹きつけたいところです。第一印象が悪いと次はないですし…。音楽バンドをやっていて格好良かったり、スポーツ選手で爽やかだったり、モデル並の容姿だったり、お笑い芸人並のユーモアセンスがあったり・・・。ここで特長を印象づけられる人は強いですよね。他の人と違う何かを持っている。その何かが非常に魅力的ならば、さほど努力しなくとも好印象や興味を相手が抱いてくれます。

 しかし、残念な事に自分が普通の人と映ってしまうようなら、アピールをしなければいけません。「男は押しで勝負だ!」とばかりに、ディスコやクラブ、あるいはスナックで隣り合わせた人に力任せの猛アピールを推奨される方もいるかもしれませんが、広告という事を考えますと、そのマンツーマンのアタックでは玉 数が足りなくなります。ナンパ師の先生方は狩猟型で営業プッシュ戦略、いえ戦略と言うより個人技の領域があてはまるでしょう。

 広告のように多くの人にアピールして振り向いてもらうには、どうすればいいか?自分から一人一人に声をかけなくても、モテモテの好感度No1になるためには?

【相手をどれくらい知っているか?】  まずは、相手を知る事ですね。男性なら女性、女性なら男性を良く知ってみる事が必要です。男性の考えるいい男と女性の考えるそれとではギャップがありますし、思考も性差で違いがあります。しかし相手を知るにしても近づき方には、育った環境によって差が出てきます。女系家族の環境にいた男性なら女性の免疫がありますから「女の中に男が一人」の状況でも、周囲と同調して馴染む事は可能ですが、男系家族、男子校出身男性なら自分の居場所がなくてソワソワしてしまったり、男臭さを炸裂させてしまって女性の気持ちを退かせてしまう場合もあるでしょう。女性(男性)の免疫がない人は、やはり実体験、実生活から免疫力をつけていくしかないと思いますが、本人の心がけ次第ですが異性との気軽でリスクのないコミュニケーションを沢山とる必要があります。

 そうやって、異性の話を沢山聞いていくうちに『相手が喜ぶ事』をいうのがわかってきます。女性なら恋愛事のロマンチックな話が嫌いという人は少ないですし、美しい物、かわいい物が嫌いという人も少ないです。逆に男性なら、格闘技やスポーツなどにみる強さ、勝ち負けへの憧れや執着、自分のプライドや面 子を大事に考えている面、女性と生理的に違いがある性欲などが独自の欲求や考え方です。

 いわば恋愛のマーケティング調査でここまで判明したなら「自分ほどいい男はいない!いい女はいない!」と自身の事をしゃかりきにアピールしなくても大丈夫です。相手が喜ぶ話を自己アピールの中に混ぜればいいのです。間違えても男性が女性に向かって延々と「車の性能」について話したり、女性が男性に「美白やダイエット」について延々と話してはいけません。折角相手が何を求め、何に対して喜ぶか勉強したのですから、自分の世界は一旦横に置いて、さりげなく「俺、恋愛ドラマ結構すきだから・・」とか「あたし、プロレスってカッコイイと思ってるの」と相手が共感して頷いてくれる事を織り交ぜると良いでしょう。

  ロマンチックな恋愛ドラマなんてまっぴらゴメンという硬派な男性の方は無理をする必要もありませんが、わかりにくい女心、男心を少しでも理解し、相手を喜ばす共通 話題を一つでも持つと有利という事です。さらに細かくターゲット層を(学生なのか?結婚適齢期なのか?熟年なのか?)というところまで絞れば、より具体的な嗜好がハッキリしてくると思います。女学生が憧れの男性に求める物、適齢期のレディが求める物、あるいは文学少女の考えるお姫様像、派手なファッションで繁華街に通 う少女の描くいい女像。狙う層の属する分野が絞れれば、アピールの策もより具体的に踏み込んだ話題になるでしょう。

【もっと難しい自分を知る事】  相手層の事を勉強し、アピールに相手層が共感するような話題を織り交ぜるという所まではきましたが、やはり肝心の自己アピールで失敗するわけにはいきません。第一印象で興味を示して貰えなかったからには、「喋った人柄でなんぼ!」と持っていくしかないです。(面 白い奴、優しそう、逞しさ、キュートさ、親しみやすいにこにこ笑顔)等のプラス要因を印象づけられれば良いですが、(暗そう、怖そう、軽薄そう、裏の顔がありそう)と悪い方に捉えられては、大損です。恐らくここで大損してしまっている人も結構いるのではないでしょうか?仲の良い同性の友達の間では「あいつ、付き合ってみるといい奴なんだよ」と評価されても肝心の狙う異性層からは「怖そう」とか「暗そう」勝手なイメージを植え付けられてしまう物です。そして、それは些細な事(例えばメガネとか)が原因で相手に悪イメージを与えている場合もあります。

 ここで、大事だけど難しい課題は、自分が異性の目からどう映っているのか?という事を冷静に客観的に把握してみる事です。自信過剰でナルシスト気味の人には辛い課題だと思います。それは販促における商品にも言える事です。自分では(若さでピチピチしている)はずなのに、相手層の目には(おじさんくさい、おばさんくさい)と映っていた。これは、ショックです。しかし現実を噛みしめて取り組んでいかないと空回りしか起こりません。「髪型や整髪料がサラサラした爽やかな感じでなく、ベタ〜とテカる印象を与えていた」、「黒縁のゴツイメガネがゴテゴテと固そうな印象を与えていた」、という風に鏡をみて発見出来る要因ならラッキーですが、普通 は自意識のない「妙な落ち着き」だったり、「背中の曲がり具合」だったり、「いびつな歯をむき出した笑い方」などが、無意識に悪イメージを相手に与えている場合もあります。これは、周囲の人の意見を参考にして、自分が人に与えているイメージを数多く紙に書き出したりして整理するのが良いでしょう。

 自分の長所と欠点が判明したなら、そこから自己演出です。自己アピールも役者の役作りよろしく演じていく事からスタートさせます。といっても(昼の顔と夜の顔)のような相手をだます事は良くないです。人間とは変わる=成長する生き物です。最初は演出のつもりでスタートしたはずが、気が付けば「こうでありたいと思っていた自分」に辿り着いているための演出です。広告表現でいえば、デザイン演出ですね。ヴィジュアル写 真の光やトーンをあわせたり、キーカラーや書体を厳選して与える印象(高級、洗練された、カジュアル感覚、明るさ、真面 目さ、温かさ、やわらかさ、新鮮さ等々)をコントロールする作業です。

 「チリチリの髪の毛」が悪い印象を与えていたのならストレートパーマやカラーリングをしてみる、「足をガバッと広げて椅子に座りガハハ笑いをしている」のが悪印象を与えているのだったら、ミニスカートをはいて、居酒屋よりはフレンチレストランにいってみる等の矯正型の演出もありますが、それと同時にガハハと笑う人は、「豪快で気さく、親分や姉御肌」という良い印象も併せ持っていますから、良いイメージを最大限演出していく事の方が無理がなく健康的です。一番良くないのは、広告デザインでも自己アピールでも『ミスマッチに気付かない』ということです。訳知り顔の薄っぺらいなんちゃって〜〜は、信用まで落としてしまいます。不器用でも熱く語れる人の方が好まれますね。「クールで頭の良い俺」「かわいげのあるアタシ」など、一番自分が売れるポイントを良いイメージに変換して調整や演出します。自分に象徴的でわかりやすいキャッチコピーをつけてみましょう。  

【ささやかなサービス精神を提供する】  さて、この段階に来るまでに上の項目をクリアしていたら、ある程度好感を得られる人物像になっているでしょう。しかし人の好みは十人十色というのは、異性も商品も同じです。まだまだ、モテ方が足りません。自己アピールだけでなく、相手層を喜ばせるサービス特典をさりげなく実行していきましょう。女性は、マメな気遣いをしてくれる人に好意を抱きますから、仕事を頼んだ女性達には「いつも、ありがとう」と差し入れを奮発する優しさ、エレベーターや入り口のドアでどんな女性にもレディーファーストの精神でお姫様扱いしていると好感度はあがります。お客さんにいつもやっていることですね。対男性も同じく、食事の時はお酌だけでなく、お醤油が必要なら取り皿に注いであげる、煙草をくわえたら火をつけてあげるという接客業のような細やかな気遣いを自分のサービス項目に設定していれば、口コミで好印象が広まります。煙草をくわえた男性に「やめてよっ!」と眉間にしわを寄せて噛みつく人は口コミでキツイ女と広まります。煙草が嫌なら自分から身を退くのも方法ですが、男性陣もこれだけ喫煙マナーを問われている社会ですから紳士の心がけを忘れていてはモテません。

【夢を見させてくれる人?】  さぁ、自己アピールでも周囲の口コミでも徐々に好感度は積み上がっていますよ。この段階の人は「あの人って気になるかも?でも、あっちの人も良いかも?」くらいの有力候補者の一人にまでなってきました。しかし、ここからのスパートがなくては、結局イケメンや美人が失速しない限り好感度No1は、まだ遠いでしょう。スパートとは、「夢を描かす事」です。商品も一緒ですよ。彼(彼女)と仮につきあったら、どんなに幸せなのか?二人っきりでロマンチックなデートのシーン、キスはどういう風にする人なんだろう?女性はうっとり夢見出します。妄想ばかりのような男性でも気になる女性のことはデートのシーン、エッチなシーン、自分の彼女になっているシーンと色々想像します。しかし、この映像が全く脳裏に浮かばない対象者だったらどうでしょう?ピザ屋のメニューで言えば「冷めてチーズの固まったピザ」の写 真を掲載してしまったようなもの。食欲をそそらないのです。

 「いい人なんだけど…」どまりの残念賞。食品の撮影はシズルといって湯気や水滴などをセットして美味しそうに撮ります。色気やフェロモンの強くない人でも、素朴さ、楽しさ、純粋さ等「その人らしさ」は滲み出す事ができます。フェロモンが少なくても一緒にいて楽しい人なら「この人と一緒に映画行ってもいいかも」と思います。もちろん、信用おけない奴と映画に行く事はありません。皇太子殿下が雅子妃との結婚時の言葉「一生守っていきたい(でしたっけ?)」に日本の多くの女性が「私も言われてみたい」と酔いしれた現象でもわかるように人は夢を見ます。「女の涙は武器だ」と言った人もいるように、男も涙をみると「自分が言い過ぎたのか?」など頭の中で様々に相手を想像します。自己アピールの演出から、さらに「らしさ・独自性」を滲ませて相手が良い想像・夢を膨らますような人間像(商品像・会社像)になっていく事が大事です。必要性があるならドラマチックにいきましょう。

【厳しい査定には、説得力を】  ここまできても、好感度No1は確実ではないでしょう。それは、例えムードに酔いしれてホロッと好きになった相手でも、人により厳しく相手をチェックしていく場合もあるからです。甘い言葉に思わず惚れかけたけど、実際の足下を見てみると、だらしない人だった、不潔な人だった、ブリッコの八方美人だったと冷静に相手を査定する時期も出てきます。全く気が抜けませんね。ここでダメを出されないためには、地に足をつけた裏付けデータを用意する必要があります。

 「私は酒、ギャンブルには狂っていません」「エッチの時に変態プレーしません」「浮気性ではありません」「ブランド物ばかり買って借金生活していません」こういうのは、企業の「我が社は資本金いくら、売上げNo1」と似ていますが、実は結構大事です。高額商品ほど信じて良いか?と考え、真剣に結婚しても良いかと考えるほど相手を見極め出します。ですから異性からこの手の質問を受けるようなら、かなり脈有りなのでしょう。モテモテも一日にしてならずです。

【背中をポンと押す】  商品も恋も相手をゲットしないと成約に至りません。切っ掛けを用意してあげましょう。ポルシェが欲しいと思っている人でも、なかなか思い切れず、「身近な国産車でいいか」と妥協してしまう場合もあるのです。もちろん、ポルシェが欲しかったのですが、「国産車でも良い」という理由が出てきた場合、(例えば、故障した時とか外車は大変ですよ!この車は国産ですが海外では医者と弁護士しか買いませんよ等)人の気持ちは動きます。もちろん現実的な線の「値段」によって動く事も多いです

 恋も一緒で憧れの王子様より、隣でマメに話しかけてくるアイツが最終的な成約者になることは有ります。脈がある人には、一押しすることで成約に辿り着きます。(しかし、これはもう営業の領域ですね)昔から「期間限定○日までの売り尽くし」などのように限定するのは効果 があります。恋で言えば「先輩とは今年の3月までしか逢えない」「彼(彼女)とは○曜日しか逢えない」など、いつでも逢える(買える)状況にない時に人は思いきります。そこからデートの誘いや愛の告白、バレンタインデーに繋がり成約に至るのですね。一応この特集はここで、めでたしめでたし・・とさせて頂きます。 いやぁ、いまだかつて、こんなに長い特集を書いた事は無いですね。期せずして力作?になった予感がしますが如何でしょう?全然役にも立たなかったり?それでは。


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